美術展 21世紀美術館 in 金沢

金沢に来た最大の目的は、21世紀美術館でした。21世紀美術館は、たくさんの展覧会が行われており、無料の展示エリアもあるので、金沢滞在中、ほとんど毎日のように行っていました。

行く時間(午前、夕方、夜)によって作品の見え方が違うので、同じ作品を、何度も観る楽しみがありました。

住んでいるところの近くにこんな美術館があるなんていいなあ。いろいろ思い出しながら、観た作品のことを書きました。

コレクション展 スケールス(2021年 5月9日まで)

数値化することのできる「サイズ」に対し、関係性の中で伸縮する「スケール」に焦点を当てた展覧会です。言われてみれば、ですが、物の大きさって、心情とか、思い出とか、ほかの物との対比とか、そういうものによって、実寸とは異なる感じ方をします。作品を通して、そういうものの見方への感じ方などにインスピレーションをくれる作品展でした。

そういう意味でよい作品だと思ったのは、宮﨑豊治《眼下の庭》1993 でした。また個人的に好きだなと思ったのはツェ・スーメイ《エコー》2003という、映像作品でした。

もしご興味をがある方がいれば是非チェックしてみてください。

こちらのチケットがあると、かの有名なレアンドロ・エルリッヒのプールを鑑賞することができます。

金沢21世紀美術館 | コレクション展 スケールス
石川県金沢市にある現代美術館です。来館情報、展覧会、イベント、教育普及プログラム、コレクションの紹介など

第77回現代美術展(会期終了)*石川県立美術館/21世紀美術館

この展覧会では、日本画・洋画・彫刻・工芸・書・写真の6部門から、石川県美術文化協会会員らの秀作に、一般公募からの入賞・入選者の展示が観られます。

ものすごい数の展示数でしたが、普段はあまりみることのない、書や、写真を観たり、入選作品とその他の作品を見比べたりしました。

301 Moved Permanently

タレルの部屋(常設展示/無料エリア)ジェームス・タレル

タレルのオープン・スカイは、直島の地中美術館で初めて見ました。その時、美術館の方が、時間や天候による見え方の違いについて、お話しされていて、何度も観に来たいなと思っていました。

直島では、滞在日程の都合で、1度しか見ることができなかったのですが、21世紀美術館では、このタレルの部屋は、無料エリアにあります。昼、夕方、夜と何度も観に行きました。

私は最近Instagramに詩を書いているのですが、何度もこの部屋に行っていろいろな詩を書きました。

雲を測る男(常設展示/無料エリア)ヤン・ファーブル

雲をつかむ男も、お天気や雲の様子でいろいろと違って見えるので、何度も、何度も観に行きました。

「今後は何をして過ごすのか」「雲でも測って過ごすさ」

私もそう答えましょうか。

アペルト13 高橋治希 園林(無料展示 2021年5月9日まで)

大変繊細で美しい作品です。中国の庭 園林をテーマにした作品とのこと。

庭園というのは、美術の様式と同様に、年代、製作された場所によって、様々な特徴を以て表されます。そして、庭は、それそのものが、ある種の独立した空間であり、建物と、外界との間に存在します。それが、外界のつながりを感じさせる庭なのか、外界とは遮断された庭なのか。

園林は、小さな部屋の四角い壁に囲まれて展示されていることからも、外界とは遮断された庭であることが園林(中国庭園)の定義の通りに表現されています。展示室は、この庭を巡ることが切るのはもちろんのこと、窓が設置されており、窓の外側から庭を眺められるようにもなっています。

李 禹煥と向き合うお茶会(会期終了)

bsh

私は李 禹煥作品が大好きです。昨年秋に、直島の李 禹煥美術館行くことができて、本当にうれしかった。その時のことはブログに書きました。

今回、李 禹煥と向き合うお茶会を金沢B邸の家守さんにご紹介いただいて行ってきました。

このお茶会は Okamoto Tea Base の岡本恭子さん(@kyoko_cool.kanazawa)が主催されたもので、素敵な現代的なお茶会でした。

李 禹煥のCorrespondence 現代作家さんたちのお茶道具、ホストのみなさまは、御着物ではなく、イッセイ・ミヤケや SOU SOUのお衣装。

主菓子は金沢の吉はしさん、干菓子は京都のUCHUさんのもので、それもものすごく、今回のお茶会のテーマに沿った素敵なお茶菓子でした。(お菓子については下記の動画で開設されています)

私は、本格的なお茶会には1度しか参加したことがありません。(それも、気軽なお茶会、と言われて行ったものの、結構面倒ことが多く、あまり楽しくなかったです。)お作法が全然わからないので、なかなか機会に恵まれません。お茶の世界観が素敵だと思っても、ちょっと敷居が高いですよね。

多くの伝統工芸は継承者不足で高い技術を後世に受けついていくのが難しいという問題を抱えています。同様に、日本固有の素晴らしいしきたりや行事もだんだん、廃れていっています。

私は、個人的にはどちらかというと近現代のものが好きなので、伝統的なものに対して、そもそもの興味が低いし、あまりにもルールやしきたりが難しいと、それだけで No Thanks. となってしまいます。

でも、こんな素敵なお茶会があるならまた行ってみたい!そして、お茶のことも少し深く知ってみたい。と思ったのでした。

ADDressで生活していたからこそ、教えていただくことができた特別なお茶会。すごくいいご縁だったと思って、ADDressのサービスにも、家守さんにも本当に感謝の気持ちでいっぱいです。岡本さんの活動も今後ずっと追いかけていきたい!と思っています。

現代的なお茶会の様子はこちらから。素敵な動画なのでぜひご覧ください。*限定公開となっていますが、主催者及び製作者の方にご了承いただいております。

最後の浮世絵師 月岡芳年展 (2021年5月23日まで)

月岡芳年は、最後の浮世絵師と言われているそうです。最後の浮世絵師ということは、その後の日本美術につながる橋渡しの役割を果たした画家だと、会場の説明に書いてありました。そういわれてみると、現代の漫画と似ているなあと思います。

色鮮やかで、劇的な題材の絵が多い中、私が好きだったのは、月百姿のなかの 「玉兎 孫悟空」でした。

いいなあと思ったのでポストカードを買ったのですが、これは実物が素晴らしく、ポストカードとは、良さが全然違います。悪さをする兎を罰として、孫悟空が月に追いやってしまう、という題材ですが、月の色、孫悟空のいで立ちが素晴らしい作品でした。

あとは館内で、浮世絵版画のスタンプラリーをやっていて、6か所でスタンプを押すと、「風俗三十二相 うるさう 寛政年間 処女之風俗」 が出来上がるというお楽しみもあります。(一番上の写真が出来上がった版画)6か所の展示室で、それぞれの版をはがき大の紙にスタンプしていくと、出来上がります。すごく楽しかった!

まとめ

本当に盛りだくさん。金沢にゆっくり滞在し、21世紀美術館でいろいろなものをじっくりと鑑賞する愉しみをおわかりいただけたのではないでしょうか?

21世紀美術館は、アートが好きな人はもちろんのこと、あまり関心がない人でも、十分に楽しめる美術館です。だからこそ、人気があるのでしょうね。

一般的には、金沢旅行と言えば、2泊3日くらいがスタンダードだと思います。3週間滞在してみて思ったのは、2泊3日なんてもったいない!ということでした。本当に見るべきものがたくさんある金沢。

こんなに贅沢に金沢でアートを楽しめたのは、ADDress会員ならでは、(私が無職ならでは)だと思います。

21世紀美術館以外の美術館にもたくさん行きました。そのことについては、このあと続きを書く予定です。

今夜もよい夢をみられますように。

コメント

タイトルとURLをコピーしました