金沢の街はコンパクトなので、金沢ABC邸のどこに泊まっても、自転車で行ける範囲に美術館やギャラリーがたくさんあります。
今回、金沢滞在は延長、延長で3週間となったので、有名な美術館以外にも、小さな美術展を観たり、金沢B邸の家守さんにギャラリーを紹介していただいて、行ってみたりしました。
小さなギャラリーって少し入りにくい、と思うことありますよね。でも誰かの紹介だったりすると、作者の方とか、オーナーの方とお話しもしやすくなる。
今回は本当にたくさんのところをご紹介いただきました。ADDressの金沢B邸の家守さんに心から感謝です。
※ちょうどGW前ということもあり、作品展の入れ替え時期でした。金沢滞在が長くなっていて、会期がすでに終了してしまっている展覧会も多いことをお詫びいたします。
国立工芸館
うちにこんなものあったら展(会期終了)
小さな展覧会でしたが、かわいいものがたくさんありました。日本の伝統ある工芸品は素晴らしいものがたくさんありますが、外国人(ルーシー・リーなど)が手掛けた東洋の工芸も、ちょっとセンスがあって素敵でした。
鈴木大拙館
鈴木大拙館は、金沢に行ったことのある人がみんな行ってよかった、と言っていたのでぜひ行ってみたいと思っていました。それと、以前、尾道で出会った会員さんが読んだという禅マインド ビギナーズ・マインド という本を読んだばかりだったので、ちょっと禅モードになりたくて行ってきました。
谷口吉生に設計された、「水鏡の庭」や「思索空間棟」でものすごく静かな時間を過ごすことができます。
「水鏡の庭」は裏にある「緑の小径」という遊歩道(ここからは国立工芸館や県立美術館のほうへ散歩しながら抜けられるようになっています)からも鑑賞できるので、散歩がてらちょっと立ち寄ったりして、何度も眺めに行きました。
波紋が水面にできる瞬間から、また、静かな水面に戻る時間の流れ、それぞれの庭の様子を見ると心がとても静かになります。体験が鑑賞になるという素敵な場所です。
ギャラリーMUSE
冒頭に書いたように、ギャラリーとか、小さな私設美術館って、ちょっと入りにくいですよね。こちらのMUSEも小さい入口、そして階段を上った2階部分にあるので、一見の客(そしてADDressライフをしていて物を簡単に購入できない身)としては、かなり入りにくい。
でもこちらは家守さんのご紹介だったので、勇気を出して入っていくと、すごく素敵なギャラリーでした。作品を観て、出展者の方や、ギャラリーのオーナーとお話ししたり、お茶をいただくこともできます。
当日は、前回、21世紀美術館について書いたブログの中で述べた「李 禹煥と向き合うお茶会」で使用されていたお茶道具の展示会をしていました。(会期終了)
再度、お茶道具をじっくりと眺められて、あらためて素敵だなあ(あと一歩で買ってしまいそう)と感じました。
art & gallery creava
こちらも、「李 禹煥と向き合うお茶会」で使用されていたお茶道具の作家さんの作品が販売されているということで 「青のガラス展(2021年5月9日まで)」を観に行きました。他の作家さん(清水早希さん)の可愛い作品があり、思わず写真を撮りました。
こちらもカフェが併設されています。
HIMITO
こちらも家守さんにおすすめしてもらって行きました行きました。若いお客様がたくさんいて、いわゆるインスタ映えスポットのようです。
『ピールアート』という独自の芸術を確立させた才田春光さんのギャラリーで、ピールアートとともに1万近くのタンポポの綿毛が見事です。
オーナーさんが作品を作りながら、お店番をされていて、若い子にいろいろな人生訓などをお話しされていました。幻想的な雰囲気の中でしばし、考え事をしたりしながらよい時間を過ごしました。
金沢みらい図書館
こちらは、2021年4月現在、外観からのみ撮影がOKとなっています。中に入ると、この丸い窓が明りとりにもなっていて、良い雰囲気です。
この素敵なデザインの建築は、設計者 シーラカンスK&H 堀場 弘(ほりば ひろし)氏と工藤 和美(くどう かずみ)氏の建築家ユニットとのこと。
米国旅行ガイド・フォダーズで「世界の魅力的な図書館ベスト20」に選ばれたほか国内外の建築賞も数々受賞しており、世界から注目されている図書館だそうです。
生涯学習席という予約できる席があって、wifiも使えます。(しかしながら言わないと、使い方を教えてくれないし、電源も使えません)
利用のしやすさ、ということを考えると、個人的にはもう少し自由でもいいんじゃないかなと思いました。海外の図書館に行くと、本当に、皆がそれぞれ好きな読書や、勉強をのびのびとしている。その土地に暮らす人が本当に自主的に、何かを学び続けていく、そしてその知の総力が、地力、国力になると考えるのであれば、(だからこそ、図書館を作っているはず)利用方法はもっと工夫ができるんじゃないかなあと、思いました。
その他
柳宗理デザイン研究所
柳総理のデザインした色々なものを一同に観ることができます。現在は、家具やキッチンツールなどに触ることができないので、残念でした。やはり、触ってこそわかるのが柳宗理、と思います。
金沢菓子木型美術館
江戸時代から使われてきた菓子木型など千数百点観ることができます。森八というお菓子屋さんがやっているようです。
喫茶ルームでお茶をいただくと無料で見学できます。
まとめ
本当に色々な美術館に行った3週間でした。美術は観れば見るほど面白い。
興味があまりない方も、あまり堅苦しく考えずに、自由にたくさん観ることをおススメします。
鑑賞の仕方は自由で、「好き・嫌い」で観るのもよし、「歴史の流れのひとつ」として観るのもよし、「文化や思想とのつながり」として観るのもよし。
数を多く見ているうちに、自分なりの好きな鑑賞方法が確立されると思います。そして、だんだん、美術鑑賞が脳やマインドに与える刺激の「必要性」みたいなものが理解できるようになるとも思います。
金沢は雨が多いエリアだそうです。歴史ある土地柄ということはもちろんのこと、このような気候条件も、芸術、美術を楽しむ文化、そして、クリエイターさんたちを支援する土壌を作ったのかもしれません。素敵なところです。
ああ楽しかったな。また来たいです。
今夜もよい夢を見られますように。
コメント