尾道滞在中にご一緒した会員さんから 新勝寺 禅と庭のミュージアムを薦めてもらいました。調べてみたら素敵なところのよう。行ってみよう。と出かけてきました。すごくいいところでした。
新勝寺 禅と庭のミュージアムは、公共交通機関でのアクセスが悪く(土日しかバスが走っていない)週末は混雑しているようなので、車で、平日に訪れるのがよさそうです。
新勝寺 禅と庭のミュージアム
新勝寺は臨済宗建仁寺派の寺院で、1965年に建立されたお寺です。へえ。建仁寺。私の実家が属する宗派は別のものですが、私の手帳のメモにはこんなのがあります。
「神社で拝むときには神に誓う 寺で拝むときには苦しみを吐き出す 建仁寺」
私の手帳にはよく、なぜ書いたのか、いつ書いたのかわからないメモがあるのですが、メモがずっと手帳(今はGoogle Keepのメモ)にあることは覚えているので、建仁寺。あ。あのメモの建仁寺。と思ったのでした。
新勝寺は、その敷地内に国際禅道場を備えていて、禅を志す人の研修の場として、国内だけでなく、海外にも広く門戸を開いているところだそうです。
新勝寺 禅と庭のミュージアムには、この新勝寺を中心として、自然の中に点在する伽藍、茶室、庭園、大型インスタレーションなどがあり、敷地内全体で、五感すべてを使って鑑賞できる、というコンセプトの施設になっています。
敷地内は入り口から素晴らしい眺めが楽しめますし、ちょうど紅葉が美しく楽しめました。お茶やお食事ができる場所もあり、浴室もあるようです。1日ゆっくり過ごすことができます。
見どころはたくさんあるのですが、心に残ったポイントを記録しておきます。
荘厳堂
荘厳堂には、江戸時代に中期に臨済宗を中興させた白隠禅師の禅画、墨跡がコレクションされていて、常設展示されています。200点もの作品を保有しているとのこと。
入口には 白隠が描いた円相が、電光で表されたものがあり、心を惹かれます。円相は、禅の最終目標といわれます。
「まる さんかく しかく」
四角は現在の私たちの心で、角があり、修行のために座禅をするとその姿が 三角の形をし、修行を重ねていくと最終的に、欠けることなく、途切れることなく、まるくなっていく。これが禅の最終目標ということだそうです。
すごくいいなと思ったのは、中で写真を撮ってもいいですよ。と言われたこと。心に留まった絵をひとつ、写真で持ち帰って、その意味を考えてはいかがですか?ということでした。素敵ですよね。
洸庭(こうてい)
「禅とはなにか それはあなた次第」
洸庭は、京都のスタジオ Sandwich が設計したアートパビリオンです。
石の海に浮かぶ こけら葺きの屋根部分に入ることができ、洸庭の建物全体と庭との調和、そして屋根部分の内部を鑑賞することができます。
建物の内部では、彫刻家の名和晃平氏とビジュアルデザインスタジオWowによる25分間の映像インスタレーションを体験できます。
真っ暗な空間に現れる水、波、光のインスタレーション。
村上春樹さんの小説に、「穴にこもる」ようなシーンがたびたびありますが、こんな感じだろうか。と思いを馳せました。
禅の教え、その核心に近づく道程で経験することを、現代美術の思考、美術で解釈、表現されたものということで、新しい形の禅体験といえると思います。
開山堂
開山堂では、その縁側に座って10分の瞑想をすることができます。新勝寺 禅と庭のミュージアムは、入口で拝観料を支払うと、音声ガイドをダウンロードできるURLをもらえます。
そして、開山堂では、そのオーディオガイドにリードされながら、10分の瞑想ができます。
(私が行ったときは、だれもいなかったのですが、ほかの人がいたときのためにイヤフォンがあったほうがいいかもしれません。)
私は瞑想の経験があるのですが、初めての人でも、ちょうど雑念が出てきそうなタイミングで、「雑念が出てきてもいいんですよ」みたいな音声ガイドになっているので、体験としてはとてもいいですね。
秋の晴れの日。縁側で瞑想しながら、瞑想の時間を取ることは大事と思いつつ、全然していない日々を反省しつつ・・・良い時間を過ごしました。
美しい紅葉を眺める
敷地内では美しい紅葉を堪能しました。紅葉は、それそのものも美しいですが、建物と一緒になったその形式は素晴らしいものです。庭園というのは、それが計算されて作られているわけですから、感動するに決まっています。
赤だけではなくて、黄色の紅葉も素敵でした。
まとめ
教えてもらっていった場所。自分ではたどり着けなかった場所に行けるのが、ADDressでの生活のいいところですね。
新勝寺 禅と庭のミュージアムは、敷地は広く、ディズニーランドくらいはあるのではないでしょうか?本殿は山の上にあるので、アップダウンを楽しみながら、15,000歩くらい歩きました。
心がきれいになって、身体が心地よく疲れて、今日もいい1日だった。
今夜もよい夢を見られますように。
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