美術展 上田薫展 in 横須賀

横須賀美術館で上田薫展を観てきました。

横須賀美術館について

横須賀美術館は、まず、その建物、景色に感動します。バスで美術館についたときに Wow! となるような素敵な美術館です。

横須賀美術館
「横須賀美術館公式サイト」環境全体が美術館をコンセプトに設計された美術館。前は東京湾、後ろは観音崎の自然の森という恵まれた環境のなかでアートと自然を気軽に楽しめる。週刊新潮の表紙絵を展示している「谷内六郎館」もあります。恋人の聖地に認定されており、デートにもお薦め。設計は山本理顕氏。

海。美術館の目の前に大きな海の景色が広がっています。建物のコンセプトは「環境全体が美術館」ということで山と海に囲まれ、白く現代的な建物が印象的。四角くシャープな印象の外観とは反対に建物内部には明り取りや、デザインとしての丸窓がちりばめられていて、とても素敵な建造物です。

横須賀美術館へ行くときには、ルーブルへ行くときのように、(大げさすぎる表現です・・)たくさんの作品の向き合うつもりで出かける必要があります。企画展のほかに、常設展、谷内六郎館があり、ものすごく多くの展示があり、全部を観るには気合いが必要ですが、展示室は何度も入場が可能なので、休憩しながら、半日くらいかけてゆっくり見るといいと思います。

こちらの美術館は、Tripadvisorの 旅好きが選ぶ!日本人に人気の美術館ランキング 2020 で14位に入賞しています。

建物内に南青山にある「リストランテ アクアパッツァ」の日高良実シェフが総料理長を務める「横須賀アクアマーレ」があり、お食事やお茶のみで利用している方がたくさんいました。

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私は普段はあまり、美術館のカフェを利用することはないのですが、今回はテラス席が空いていたのと、おなかが空いていたので、お店に入りました。目の前の海。大きな船が行き交うのを見ながら、秋の気持ちの良い海風に吹かれて、白ワインと、野菜と白身魚のフリットをいただきました。至福の時間でした。

上田薫展

上田薫展は、初期から2000年代までの作品を順を追って紹介するスタイルの美術展です。斬新なテーマに沿った展示がある企画展も楽しいですが、やはり、その作家の人生や、時代の流れをたどりながらの展示は、いろいろなことを想像が掻き立てられ、見ごたえがあります。今回は6つのテーマで約70点ほどの展示がありました。

  • リアルの前史
  • スタイルの確立
  • 時間を描く
  • 光を描く
  • 素描と版画
  • そして現在へ

まず、最初の展示は「リアルの前史」では、この後の代表作となっていくスプーンのシリーズに行きつくまでの、最初の彼の模索、葛藤が表れた作品が展示されていました。ポスターのコンテストで受賞し、デザインにおける分野での地位を確立しながらも、やはりオリジナルを生み出すことを求めていた上田薫。

代表作、そしてその作品に強烈なイメージや作風があり、それ等の作品が、その人そのものを表すかのような作り手であっても、スタイルを模索する時期があるのだなと実感できるような展示でした。

このお部屋の展示の中に、リーバイスのデニムアートコンテストのポスターがあるのですが、模索期の作品の中のこの1枚がとても秀逸で、やはり上田薫の才能はここにあり。というのを、思い知らされる感じがしました。

模索、葛藤の時代を経たのち、上田薫は自分の内面を表現しようとすることをやめ、見たものをそのままに描き出そうとするリアルの時代に入り、彼自身スタイルを確立していきます。そのスタイルを極める中で、写真から絵を描く手法へたどり着き、絵の中に時間を描き出すスプーンのシリーズや、光を描き出す泡のシリーズへと集中していきます。

上田薫の作品の魅力は、スーパーリアリズムといわれる精緻な描写であることはもちろん、写真の中にある映り込みの部分の表現だと私は感じています。

シャガールの絵を観るときにも同じことを思うのですが、二次元で表現される絵画には、その一瞬が描かれます。当然三次元の世界では同時並行でいろいろなことが起きています。3次元の世界にも見えていない、描き切れていないようなことが、絵画の中に表現できていることに心が反応します。私は作品を観るときに、画家がそういう、物事の側面や裏側を描こうしているように感じることが、とても好きです。

上田薫展は、11月3日まで。実際に足を運ぶことができない方はこちらから詳細を観ることができます。

上田薫 展 | インターネットミュージアム
上田薫 展の取材レポート。写真や動画で上田薫 展の魅力を紹介します。上田薫 展へ出かける前に、インターネットミュージアムをチェック!

この後、11月14日から埼玉県立近代美術館に巡回するそうです。そちらのポスターに使用されているゼリーの作品は、横須賀でも観られます。(私はこれが一番大好きな作品でした)

谷内六郎館

谷内六郎館では、週刊新潮表紙絵展「ふくらむイメージ、あふれるユーモア」を観ることができます。こちらでは年間4回、テーマを設けて展示替えをしているそうです。タイトルの通り、谷内六郎が、日々の何気ない光景からイメージを膨らませて、ユーモアを込めて描いた作品の展示がたくさんありました。

私が気に入ったのは、小さなつむじ風が枯葉をくるくると回すと、枯葉がバレエをしているようです。と表現された絵。これ以外にも初雪がかかった富士山の様子を、富士山がレースを着ているように表現したり、子供のころにキリンが大きいイメージだったことを表現すると、山の上からキリンが顔を出しているという絵になったり。雑誌の表紙には、書き手のユーモアが表れて、楽しいです。(ムーミン展でトーベヤンソンのGULMの展示を観たときも同じように思いました。)

暖かい気持ちになれる展示でした。

まとめ

芸術の秋。横須賀美術館を堪能しました。今度来るときはもっと時間を取って観音崎などを観光しつつ、1日のんびり過ごしたいです。夜のレストランも素敵そうなので利用してみたいですね。

楽しい1日でした。

今夜もよい夢を見られますように。

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