美術展 ファッション イン ジャパン1945-2020-流行と社会 in 島根

島根県立石見美術館、グラントワに行ってきました。

グラントワ 島根県立石見美術館について

私は、この美術館について、全く知らなかったのですが、すごく素敵な美術館です。

グラントワは、島根芸術文化センターの総称で、島根県立石見美術館と、島根県立いわみ芸術劇場を併設しています。

建物建築家 内藤 廣さんが設計された建物で、多くの賞を受賞しています。外観に、この地方特有の石州瓦を28万枚!施したという素晴らしい建物です。中庭には、水盤のある中庭があり、この建物をを見るためだけのために、島根県に行ってもいい!というくらいです。

ファッション イン ジャパン1945-2020-流行と社会(5月16日まで)

戦後から現代に至るまでの日本のファッションの動向を、衣服や写真、雑誌、映像などの豊富な資料を通して、社会現象とともに紐解くというコンセプトの美術展です。

ファッションの美術展ということで、ファッションが好きな私としては、一つ一つ見るたびに「気分が上がる」美術展でした。

戦後、多くの女性が和装から洋装へと変化を遂げました。戦後の物資が少ない中で、多くの女性が工夫をして洋服を仕立てて着ていました。

その後、洋裁学校で洋服の仕立てを習うことが流行したそうなのですが、私の母の世代以上の女性は、みな、和裁、洋裁ができるんですよね。私も小さいころは、母親が縫った服をよく来ていたし、母は、ものすごく凝った手提げバックとか、そういうものを、私の姪(母の孫)のために作っていました。

1960年代後半生まれの私は、ボタン一つつけられない・・という現状を考えると、すごいことだなと思います。

その後、1960年以降は、服は購入する時代へと変化していきます。

当時の森英恵デザインのJALのユニフォームの展示があり、それは機能的な服ではないものの、(CAさんのお仕事は肉体労働)ものすごくかわいかった。以前に「マツコの知らない世界」でJALの歴代のユニフォームを見たことがありましたけれど、女性の憧れの職業だった、ということはことは想像に容易いです。

1970年代の渋谷パルコのポスター、1980年代の資生堂のポスターにはしびれました。今、ああいうしびれる広告ってないですね。

ビジュアルと文字のバランスをどの程度にするのか、試行錯誤、模索、の様子を見て取れるところも、いいなあ。という感じでした。

大丸とディオールがライセンス契約を結んでいて、その時の資料の展示もありました。

その後DCブランド(ニコル、ビギ、ミルクなどなど)の全盛期、竹の子族とか、そういう時代を経て、ギャルブーム、ストリート系などへと変貌していきます。

デザイナーも森英恵の時代から山本耀司、川久保玲の時代を経て、最先端の山縣良和の時代への変化を展示を通して、一同に鑑賞することができます。

企画展「ファッション イン ジャパン1945-2020-流行と社会」

展覧会を見て思ったこと

個人的には、鳥居ユキの全盛期がすごく素敵だったのに驚きました。今、それを着たとしても、ものすごく素敵なデザインです。

長い間、何かを創り出し続けること。それは偉大なことであり、難しいことです。このようなことを、このような展覧会で一同に並べるということは、ある意味残酷です。

確固たる信念で、同じスタイルを貫くことで、新しい道を切り開く者、廃れていく者。

あたらしいデザインに挑戦することで、輝き続ける者、輝きを失う者。

その違いを生むのは何なのか、考えてしまいます。

ベストセラーの食品や、老舗の銘品は、気づかれないくらい、ほんの少しずつ、味を変化させることが、ロングセラーの秘訣ということをよく聞きます。

でも、アートやファッションの潮流においては、それはその通りでもありません。

簡単には手に入れられない答え。

だからこそ、アートは私たちをこれほどまでに魅了するのかもしれません。

まとめ

素敵な美術展でした。

ファッションって心躍りますね。会場には、老若男女、いろいろな方がいらしたのですが、80代くらいの女性が、雑誌、「装苑」の創刊号を見て、「あ、私これ持っていたわ!」とうれしそうな声で話していいたのが印象的でした。誰しもが、ある時期、ファッションに夢中になる。

そして、グラントワも素敵でした。日本中にまだまだ私が知らない、素敵な美術館があるんだろうなあと思います。

また、素敵な出会いがあるといいな。

今夜もよい夢を見られますように。

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