湯布院の COMICO ART MUSEMUMで、杉本博司氏の海景シリーズが観られるということで行ってきました。
こちらの美術館では、村上隆氏、奈良美智氏の展示も同時に観ることができます。※ただものすごく展示数は少ないので、アーティストが「大好き」でない人は、拍子抜けしてしまうかもしれません。(全展示数12)
外壁に焼杉を使った建築は隈研吾氏の設計、ミュージアムのロゴは原研哉が手掛けているのでとてもスタイリッシュな美術館になっているので、建物自体の鑑賞も楽しいです。
由布岳と建築物のコントラスト、また日本庭園風に配置された植物が、焼杉の黒とマッチしていて、全体的に素敵なたたずまいです。
ギャラリーⅠには村上隆氏、ギャラリーⅡには杉本博司氏、屋上に奈良美智氏の作品が展示されています。ギャラリーⅠとⅡの間は、完全に仕切られており、その間に水が流れています。二つの相反する作風の展示が、ガラス、水という透明なのに完璧な隔たりを作りだしている演出も素敵でした。
私は杉本博司氏の海景シリーズを熱愛しているので、一人(この時間の予約は一人でした)で長時間(1時間がリミットになっています)堪能しました。こちらの美術館には、海景シリーズのカリブ海、イオニア海、エーゲ海、カテガット海峡、スペリオール湖の5点が展示されています。
じっくり眺めながら、どれが一番好きかな。もし、もしも、万が一、1つもらえるとしたら。などと考えながら20分ほど考えましたが、選ぶことはできませんでした。一つ一つが違う。
パッと目を引くのはカリブ海。こちらはシリーズ1作目とのこと。撮った時にこれが杉本氏の心象風景であるという手ごたえがあったそうです。素敵な作品です。
私好みだなと思ったのはスペリオール湖。白い海景です。まるで絵画のような写真。何度も眺めるたびに、作品が自分に寄り添ってくるような、自分の憧れが表れているような、まるで作品が私自身であるかのような気持ちになってしまう不思議な海景です。
心がくっと動いたのは、カテガット海峡。今の私の心情に訴えかけてくるような作品です。空と海の間のほんの少しの光。見えないようで見える。確実にあるのに、はっきりとは見えない。でも見た瞬間から確信する。きっとある。そういう気持ちになります。
COMICO ART MUSEUM YUFUINの開館時間は9:30から17:30まで。
現在は予約制(オンラインか電話)となっていますが、ツアー形式での案内は中止されていました。
入館すると素敵なリーフレットをいただくことができます。Instagramに投稿するとオリジナルのポストカードをもらえます。
秋晴れの、ものすごく陽気のいい日。素敵な展示を観て、そのあとは金鱗湖畔で風に吹かれながら余韻を楽しみました。今日も幸せです。
今夜もよい夢を見られますように。
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