私はADDressのホームページを閲覧するのがほぼ、日課です。新しい拠点ができると嬉しいし、次はどこに行こうかなあ。と気分が高まります。
その日もいつもと同じように、楽しい気持ちでページを空けると、鹿屋(鹿児島県)の新しい拠点がオープンになっていました。
私は、日本地理に弱く、ADDressを始めるまで、九州の地理が今一つよくわかっていなかった。九州の最南端って、長崎県?熊本県?いや、宮崎県かな?と思っていたら、鹿児島県でした。
鹿児島県。それも大隅半島。どんなところなんだろう。すぐに行ってみたくなりました。
鹿屋へのアクセス
鹿屋へは北九州(門司港)から、九州を北から南まで横断するかたちやってきました。新幹線で小倉から鹿児島中央駅まで約一時間半。
鹿児島中央駅でガッツレンタカーを借り、鹿屋まで約2時間くらい。
鹿児島中央駅のガッツレンタカーは、私が今まで利用したガッツレンタカーの中で一番きれいなステーションで、車も走行距離10万㎞以内の良い車でした!
宿泊した場所
今回宿泊したのは、 ユクサおおすみ海の学校 というところです。
ユクサおおすみ海の学校は、120年の歴史をもち「日本一海に近い小学校」と言われていた鹿屋市立菅原小学校をリニューアルした体験型宿泊施設です。HPを見ると、キャンプとか、夏のアウトドアアクティビティをする場所らしい。
そんなところに、一人で出かけて行くのはどうなんだろう。
ADDressと契約するくらいだから、今お客様が少ないんだろうな・・。ADDressの予約個室は一つだから、きっとほかに、宿泊客は誰もいないだろうな。誰もいない小学校に夜一人で泊まるなんて怖いかな。
色々悩んでみたものの、来てみたら、すごくいいところでした。キャンプをせずとも楽しく過ごすことができました。
週末には校庭でキャンプやバーベキューをする人たちが訪れてにぎやかです。
私の小学校の思い出
ユクサおおすみ海の学校には5泊の予定でした。残念ながら、滞在中のお天気はほぼ曇りか、雨。時々薄日がさすものの、観光には不向きな天候でした。
しかしながら、2月中旬の鹿児島の気温は常に15~16度あり、過ごしやすい日々でした。なので、今回は、あまり出かけずに、この小学校の中だけで過ごすことにしました。学校の中にいろいろな施設があるので、それを書いておこうと思います。
でもその前に私の小学生のときの思い出を語ります。それが、今回私がこの、日本最南端の小学校にやってこようと思った理由の一つだからです。
・私の小学校の思い出
私は、小学校にいい思い出がありません。楽しいこともたくさんあったのでしょうが、小学校のことを思い出すと、暗く、嫌な思い出ばかりのような気がします。
私が通っていた小学校は、自宅から大人が徒歩で歩くと15分くらいかかる場所にあり、当時、小学一年生だった私にとっては、学校はとてつもなく遠い場所、という印象でした。私は子供のころは歩いたり、外で遊ぶのが本当に嫌いでした。
毎日やっとの思いで学校にたどり着いても、校門から下駄箱までが、さらに果てしなく距離があるように感じていました。毎日、学校に行くだけですごく疲れる。とも思っていました。
学校では給食も、休み時間外で遊ばなくてはいけないことも、先生も、何もかも好きではありませんでした。無邪気にカーテンにくるまる男子によって、すごく汚くなったカーテンのこと。よく忘れ物をして、気まずい気持ちになったこと。飛べない跳び箱や、登れない登り棒。気持ち悪い蚕の実習。蚕がかさかさと音を立てて、桑の葉を食べる音。
私が生まれ育った東京都八王子市は、「織物の街」の歴史があります。八王子織物についての学習の一環として、小学校では蚕から繭、そして蛾への成長を観察したり、繭から糸を作るような授業がありました。
私はこの蚕の実習の時期、もうノイローゼのように、蚕が恐ろしくて、たまりませんでした。祖母の家に行くために乗る京王線の電車の白い車両がカーブを曲がりながらホームに入ってくる瞬間、それですら、蚕に見え、電車に乗りたくないと思っていました。
こんな風に小学校のことを思い出すと、いいこと、楽しかったことはほとんどありません。子供にとって、小学校生活というのは、その時代の7-8割の割合を占める人生そのものです。学校嫌いな私の子供時代は、恵まれた環境で育ったにもかかわらず、あまり幸せだったとは言えません。
それから長い月日が流れて、大人になって、私は幸運なことに、いいことばかりに恵まれました。たくさんのいい人に巡り合い、素晴らしい経験をたくさんしました。時々、うまくいかないことや、壁にぶち当たるような経験をしましたが、何とかうまく立ち直ることができました。大人になってすごくよかった。とよく思います。
大人になって、何でも自分で決められるようになって、好きなように生きられる。本当に幸せなことです。
このブログを子供が読むことはないでしょうが、もし今子供の誰かが、人生に絶望しているとしたら、生きて、大きくなってみてほしいなと思います。今時は、私の子供のころとは違って、子供にもいろいろな選択肢があるのでしょうから、それは余計なことなのかもしれません。もし、今子供のころの自分に会えるなら、大人になったら楽しいよ。安心してね。と言いたいです。
・嫌な思い出は上書きする
私は大人になって、いろいろな経験をして、ひとつ、決めていることがあります。生きていく中で、どこかに行ったり、どこかに所属したりして、嫌な思い出ができてしまった時には、その後に、必ず「同じような場所で経験の上書きをする」ということです。
私はADDressを始める前に、「京都」という都市との関わりの中で、「京都が嫌い」と思うことが多かったです。京都は仕事で関わることが多かった都市。観光で訪れても、いつも人だらけ、大渋滞の京都。
だから、「京都」にいって、「上書きしよう。すごく楽しく過ごそう!」と計画し、2回京都に行き、すごく楽しく過ごしました。京都で友人とともに過ごし、一人でいろいろな場所に行き、「京都」という都市はすでに、好きな場所に変わっています。
小さいことでも、積極的に上書きしています。ちょっと悲しい思い出があるレストランとか。そういうところには、また別の人と訪れて、楽しい思い出に上書きします。
私はもう小学生に戻ることはできませんが、鹿児島の小学校の中で楽しく過ごすことで、思い出を「上書き」したいなと思いました。
だから、ADDressのHPに鹿児島拠点ができたとき、キャンプとか、夜ひとりとか、そういうことはさておき、「行かなくちゃ」と心が動いたのです。
ユクサおおすみ海の学校
・海の目の前の学校、毎日、変わりゆく気持ちに訴えかけてくる景色
ユクサおおすみ海の学校では、毎日海を見て暮らしました。曇りの日は、まるで北欧のような雰囲気のある景色だし、薄日のさす日もまたいい感じだし、晴れの日は晴れの日で絶景です。朝起きて、窓から外を眺め、書き物に疲れたら、校庭に出て、また海を眺める。夕方から夜への時間。暗い暗い夜の海を見るのもよかったです。
・ヤギ
ADDress生活を始めて、ヤギと遭遇することが多くなりました。今年の初めに静岡県榛原に行って、生まれて初めてヤギをかわいい!と思ったのですが、ここにもヤギがいました。
おかあさんと子ヤギ2頭。それから生まれて1歳のヤギ。子ヤギはまだ、お母さんのお乳を飲んでいる時期なので、檻に入れたり、つないでおいたりしなくても、どこかに行ったりしないそうで、放されていました。ものすごいスピードで走ったり、ぴょんぴょん跳ねたり、無新に草を食べていたり、1歳のヤギのところにいって、角を突き合せたり、本当にかわいかったです。
・ワーキングスペース
1Fに立派なコワーキングスペースがあります。コワーキングスペースには、オフィスにあるようなちゃんとしたオフィスチェアがあるので、長時間、作業をするときにもとても快適でした。*写真を撮ればよかった・・。
・ショップ&レストラン
源龍らーめん
写真は「源龍らーめん 海」。さっぱりで美味しかった。メニューには、インスパイア系こってりの「源龍らーめん 山」もあります。
魔女喫茶
日曜だけ営業している喫茶店です。ランチにチキンソテーを食べました。美味しかったです。カレーもあるみたい。
Kiitos
カフェ&チョコレートショップです。チャイをお願いしたら、本格的なチャイでした。チョコレートは自分の分と、お土産用を二つ買いました。かわいいお店です。
おまけの情報
・荒平天神
拠点のすぐ近くに、パワースポットとして有名な荒平天神があります。学問の神様、菅原道真公が祭られているとのこと。
急な階段を数段登ります。結構大変。私が訪れた日は、風が強く晴天でした。潮の満ち引きの状況で、また見え方が違うんでしょうね。
・ダマスクの風
拠点から、車で20分くらいのところにダマスクの風というローズガーデンがあります。季節的にガーデンにはお花がなかったのですが、中のティールームに素敵なドライフラワーがたくさんある。と魔女喫茶で教えてもらったので行ってみましたがお休みでした。お店の方が出てきて、休業だけど中を見せてくれるとのこと。写真を撮りました。
人懐こくかわいい猫がいたので、少しの間、一緒に遊びました。私は動物嫌いだったのですが、ADDressでの生活を始めて、だんだん動物が好きになってきました。これは驚きの変化の一つです。
ダマスクの風のガーデンは、3月くらいからは、だんだんいろいろな花が咲き、花でいっぱいになるようです。
まとめ
ユクサおおすみ海の学校での滞在で、私の小学校の印象派は完全に上書きされました。鹿児島、大隅半島はとても暖かくて、すごくいいところです。私は、この学校がとても気に入ってしまい、また、来月も予約をしました。
2か月も続けて鹿児島、それも学校に一人で泊まるなんて、一体に何がそんなによかったの?と多分周りの人に聞かれるでしょう。ここまでにたくさん書いてきたように、海がきれいだし、おしゃれなお店もあるし、働いている人たちもすごくいい人ばかり。
でも、それだけではない何かがあります。言葉ではうまく言い表せない、心地よい空気、雰囲気、みたいなものがあって、私はそれがすごくいいなと思っています。
こちらの拠点はキッチンがないので、(電子レンジとか冷蔵庫、ポットはあります)自炊ができない。なので、外食が苦手な私としては、ちょっと不自由なんですが、それでも、そこにどうしてもまた行きたい、そういう空気がある場所でした。
また来月行けるんだ。うれしい。
今夜もよい夢を見られますように。
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